セッション終盤の「耳の痛み」や「頭の重さ」に悩んでいませんか?
TRPGやマーダーミステリーのオンラインセッションは、1回あたり3時間から6時間、長ければそれ以上の時間に及ぶことが珍しくありません。セッションが終わったあと、「耳の穴が痛い」「頭を締め付けられて頭痛がする」「耳が疲れてぼーっとする」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
長時間のプレイで集中力を保ち、最後まで物語を楽しむためには、マイクの音質と同じくらい「自分の耳に音を届けるデバイス」の選定と使い方が大切です。この記事では、セッション中の身体的負担を減らすための機材の使い分けと、疲れをためない運用の工夫について解説します。
主なオーディオ機器の特徴とセッションでの相性
耳への負担を減らす第一歩は、現在使っているデバイスの特徴を理解し、自分の体質やプレイスタイルに合ったものを選ぶことです。
1. ヘッドホン(オーバーイヤー型)
耳全体をすっぽり覆うタイプのヘッドホンは、遮音性と音質に優れ、BGMの臨場感や他プレイヤーの声の聞き取りやすさは抜群です。
- メリット: 音が明瞭に聞こえ、没入感が高い。耳の穴を圧迫しない。
- 注意点: 本体の重さや「側圧(頭を挟み込む力)」によって、頭頂部やこめかみが痛くなりやすい。密閉型は夏場に蒸れやすい。
- 運用のコツ: 長時間使う場合は、本体重量が軽いものや、イヤーパッドが柔らかいベロア素材・低反発ウレタンのものを選ぶと負担が大幅に軽減されます。眼鏡をかけている方は、ツルが圧迫されないゆとりのあるサイズ感が適しています。
2. カナル型(密閉型)イヤホン
耳栓のように耳穴に差し込むタイプで、スマートフォン付属のものや普段の外出用として広く使われています。
- メリット: 軽量で頭部への圧迫感がなく、場所を取らない。
- 注意点: 長時間装着すると耳穴内部が痛くなったり、自分の声が頭の中で反響して話しにくさを感じたりすることがある。
- 運用のコツ: イヤーピースのサイズを自分の耳穴に正確に合わせることが大切です。シリコン製だけでなく、低反発フォーム(ウレタン)素材のイヤーピースを試すと、圧迫感が分散されて痛みが和らぐ場合があります。
3. インナーイヤー型(開放型)イヤホン
耳穴の浅い部分に引っ掛けるように装着する昔ながらの形状のイヤホンです。
- メリット: 耳穴を完全に塞がないため密閉感が少なく、長時間の装着でも蒸れや痛みが起きにくい。
- 注意点: 低音が抜けやすく、周囲の生活音も耳に入りやすい。
- 運用のコツ: 家族の呼びかけやインターホンの音に気づきたい環境でのプレイに向いています。自分の声も自然に聞こえるため、発声の疲れを抑えられます。
4. オープンイヤー型(骨伝導・空気伝導)
耳穴を一切塞がず、耳の周囲に引っ掛けて音を聴くタイプです。近年テレワークやオンセ用として人気が高まっています。
- メリット: 耳穴や鼓膜への直接的な圧迫がなく、長時間のセッションでも耳が非常に疲れにくい。
- 注意点: 音量を上げすぎるとマイクが音を拾ってハウリングを起こすリスクがある。重厚なBGMの重低音などは軽く聞こえやすい。
- 運用のコツ: マイクと適切な距離を取り、音量を会話が聞き取れる適正レベルに保つことで、極めて快適なオンセ環境を作ることができます。
疲れをためないための具体的なセッティング術
機器そのものの形状だけでなく、日々の設定や使い方の工夫でも疲労度は大きく変わります。
全体の音量を「少し小さめ」に慣らす
BGMや相手の声が小さいからといって全体のマスター音量を上げすぎると、突発的なダイスロール音や叫び声のSEで耳に過度な負担がかかります。
- 通話ツールの個別音量設定を使い、声が小さい人だけを持ち上げる。
- セッション開始前に、BGMの音量を「会話の邪魔にならない控えめな音量」に固定する。
- 「しっかり集中すれば聞き取れる」程度の適切な音量に耳を慣らしていくと、セッション後の疲労感が劇的に少なくなります。
休憩時間の「完全脱着」を習慣にする
セッション中の休憩時間(5分〜10分程度)には、必ずイヤホンやヘッドホンを完全に外しましょう。短時間でも耳を外気にさらし、圧迫から解放するだけで、血行が戻り痛みの蓄積を防ぐことができます。
片耳装着はバランスに注意
「片耳だけイヤホンを外して周囲の音を聞く」というスタイルをとる方もいますが、片方の耳だけに偏って音を入れ続けると、無意識のうちに音量を上げがちになり、片耳の疲労や頭痛の原因になることがあります。周囲の音を聞きたい場合は、片耳外しではなく、インナーイヤー型やオープンイヤー型を両耳で使う運用がおすすめです。
役割やシーンに応じた組み合わせの考え方
- GM(KP)を担当する場合 シナリオの読み上げや長時間の描写で声を出し続けるため、自分の声がこもらず自然に喋りやすい「オープンイヤー型」や「インナーイヤー型イヤホン」と、口元から離れた「単一指向性マイク(据え置き型)」の組み合わせが負担を減らしやすい構成です。
- PLとして没入感を高めたい場合 ホラーシナリオの演出や感動的なBGMを余すところなく味わいたいセッションでは、装着感の良い「軽量なオーバーイヤー型ヘッドホン」を使うと、高い没入感と快適性を両立しやすくなります。
まとめ:身体の負担を減らすことも卓の準備のひとつ
TRPGのセッションは、思考力と想像力をフルに使う知的な遊びです。耳の痛みや締め付け感といった身体的なストレスを減らすことは、集中力を維持し、セッションを最後まで心から楽しむための大切な環境づくりといえます。
ご自身の耳の形やプレイスタイル、遊ぶ環境(家族と同居しているか、一人暮らしかなど)に合わせて、無理のないオーディオ環境を整えてみてください。
